オフィスデザイン OSB×SPF×コンクリート風塗装

OSBとコンクリート床のカジュアルなオフィスデザイン

ミーティングスペースと事務スペース、バックヤード、トイレ、簡易シンクを含めた約50㎡のテナント区画です。以前は保険営業所をしていたということで、ごく一般的な事務所仕様になっていたテナント区画。床はタイルカーペット、壁はビニールクロス、照明器具は逆富士型の蛍光灯が吊り下げられていました。

リフォーム前の事務所の様子

リフォーム前の様子。タイルカーペットの床に蛍光灯と、一般的な事務所。

天井は元からスケルトンになっていてデッキスラブが見えている状態です。天井高は3.2 mと解放感があり、これは特徴的で良いポイントだなと思いました。

トイレは元々配置してあったものを利用するということでしたので、最低限の内装仕上げの変更のみ、ということでデザインとプランニングのお手伝いをしました。

既存の床のタイルカーペットはかなり汚れていましたので全て撤去しました。

事務所改修をローコストに抑えるために最も注意するべき点は、面積の広い部分の仕上げ単価を極力抑えることです。今回のケースで言うと、天井は既存利用、壁も半分以上はそのままでしたので、床の仕上げが最も広い面積を占める項目でした。

床仕上げの変更については次の4つの選択肢があります。

1、タイルカーペットを貼り替える
2、硬質塩ビタイルに貼り替える
3、木質フローリング材を張る
4、タイルカーペットをめくり、素地を塗装で仕上げる

この中で最もコストを抑えられるのが、4の『塗装で仕上げる』方法です。タイルカーペットが貼ってある床の下地はコンクリートかベニヤ下地、またはオフィスフロアのどれかになっていることが多いです。今回はモルタル下地でした。

タイルカーペット施工時には接着用のノリをギザギザの刷毛で伸ばして塗っているので、タイルカーペットを剥がすと、この波のようなノリの跡が残っています。デザインのテイストによっては、この荒い下地が残ったままだと汚い雰囲気に見えたりするのですが、今回はコンクリート風に塗装することで目立ちにくく仕上げることにしました。

コンクリート風に塗装した床

タイルカーペットを剥がした上にコンクリート風エフェクトペイントを塗装した床の様子

こちら、よく見るとハケ模様が残っているんですが、気にならないレベルまでごまかすことができました。この塗料はコンクリートエフェクトペイントと言って、インターネット販売もしている材料です。DIYでも比較簡単に使用できる塗料ですが今回はプロの塗装屋さんが施工しています。


壁面の窪みのサイズに合わせて、2台のディスプレイ棚を製作しました。

本のディスプレイ棚

本のディスプレイ棚はSPF材を使って大工さんが現場で作ったモノ

これは大工さんが現場で造作したものです。骨組みにはホームセンターでも購入できるSPF材を使用しています。

棚板は18ミリのパイン集成材ですが、前から見ると棚板の厚みが薄くて頼りなく見えるため、小口部分に30ミリの部材をL型に貼り付けています。これは可動式金物のアームを隠す役割もあります。おかげで見た目にスッキリとして、安定したデザインに見えます。

足元は横木を渡して横揺れを軽減させているのですが、これだけで堅牢な構造は作れないので、棚の脚の上の方でLアングルを使って壁に固定しています。


事務スペースとミーティングスペースの間仕切りとして使っているのは、既製品のオープン棚です。これはお客さまが以前から所有していた書類棚で、イケアの人気シリーズの一つである『カラックス』というオープンラックです。

イケアの本棚をアレンジしたパーテーション

イケアの本棚をアレンジしたパーテーション

イケアのカラックスに、OSBボードで背板を作り、はめ込んだだけの簡易間仕切りです。高さが147センチあるので、背板をつければ間仕切り壁として利用できます。

 


3灯吊りのペンダントライト

3灯吊りのペンダントライト

照明器具はミーティングスペースのみ配線ダクトタイプに変更して、照明の色も電球色にしています。スポットライトとテーブル上にペンダントライトを3灯吊るし、事務スペースとは少し違った雰囲気になるような計画です。

コストを最小限に抑えたプランニングということもあり、家具や照明器具などは、お客さまにインターネットで購入してもらったりして用意したものもありますが、かなり居心地の良いオフィスにイメージを変えることができました。


板で造作した書類ケース

OSBボード、コンパネ、MDFボードを使って作成した書類ケース

ベニヤ板を使っていくつかのインテリアアイテムを作製しました。A4サイズとA3サイズの書類を収納できる書類トレーと、スタンドミラ―です。ベニヤ板は一部塗装したものと組み合わせています。

こちらも大工さんに現場で組み立ててもらったものです。書類トレーなどは100円ショップなどでも購入できるのですが、デザイン的に物足りないモノが多いですよね。

SPFで作った少しラフなデザインの棚には、ベニヤ板などを使ったインテリアの方がしっくりきます。ミラ―の方は、元々持っていたミラ―のフレームにベニヤ板を貼り付けたものです。壁面に設置するだけで、照明器具や室内の風景が写り込んで空間に奥行がでます。ミラーは一枚あると使い勝手がよいアイテムだと思います。


間接照明のあるトイレ

間接照明のあるトイレ

既存利用することになった便器とトイレットペーパーホルダーがピンク色だったので、これに合わせてコーディネートしました。壁紙はグレー系の壁紙を2種類貼り分け、床はフローリング調のクッションフロア、天井にも板貼風のビニルクロスを施しました。

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