リフォーム

中古マンションのフルリノベーションが向いている人の特徴とは?

こんにちは。大阪市西区で中古マンションのリノベーションやリフォーム、店舗デザインを手掛けるMASAKISEKKEIです。 今回は、マンションのフルリノベーションについてお伝えします。

この記事では、「そもそもフルリノベーションって何なの?」という基本的な言葉の意味からその特徴や費用、そしてメリットデメリットについても詳しくまとめています。

最後まで読んでいただければ、ご自身がフルリノベーション向きかどうかが判断できる内容になっていますので、フルリノベーションをご検討の方には是非読んでいただきたいと思います。


目次

・フルリノベーションとは
・フルリノベーションの特徴
・フルリノベーションの費用相場
・フルリノベーションのメリットとデメリット
・フルリノベーションの注意点
・フルリノベーションが向いている方
・最後に


フルリノベーションとは

フルリノベーションとは、家全体を全て新しく造り替える改修工事のことを言います。フルスケルトンリノベーションやスケルトンリフォームと言われることもありますが、すべて同じ意味で使われています。

フルリノベーションは、間取りや設備などの使えるモノを既存のまま利用するリノベーションと違い、壁や床、そして天井はもちろんのこと、お風呂、トイレ、キッチンや洗面所といった水回りの住宅設備もいったんすべて取り壊してしまいます。
また、壁や天井の裏に隠れていた設備の配管や配線などもすべて撤去して一からやり直し、全てを新しいモノに交換しますので、まさしく住宅を一新する大掛かりな工事と言えます。


フルリノベーションの特徴

フルリノベーションの特徴としては、次のことが挙げられます。

間取りについて
・自分の思い通りの間取りに変更できる
・水まわりの位置を変更できる

設備について
・キッチンやお風呂などの古い設備を新しくできる
・壁や天井裏にある設備配管や配線を新しくできる

デザインも自由にとりれることができ、最新機能の設備や、アンティークの建具など思いのままに住宅全体を造り替えることができます。


フルリノベーションの費用相場

フルリノベーションは思いのままに造り替えることができる分、コストが高くなりやすい傾向があります。

例えば一般的な中古マンション60㎡の場合を例に挙げますと、間取り変更等をせず、住宅設備だけを入れ替えるだけなら500万円程度がリノベーション費用の目安となりますが、フルリノベーションとなれば、800万円以上の費用がかかってしまいます。

さらに、住宅設備や内装仕上げ材のグレードにこだわったり、意匠的にこだわったデザインを施せば、1500万円以上の費用がかかることもあります。

「いくらかかっても良いから納得できる好きな住宅に造り替えたい!」というご意向であれば全く問題ありませんが、ほとんどの方にはご予算の上限がありますよね。

「予算内で希望の住まいを実現するにはどうすれば良いのか?」

ここがフルリノベーションでもっとも重要なポイントとなります。では実際にどのくらいの費用があればどのくらいのことができるのでしょうか?これについては下記の通り概算費用を把握するための計算式がありますのでそちらをご紹介します。

[デザインにこだわりがない場合]
ご自宅の専有面積○○㎡×8万円=概算費用

[デザインにこだわりがある場合]
ご自宅の専有面積○○㎡×15万円=概算費用

フルリノベーションを検討している人ならデザインにもこだわりたいというご要望のある人が多いかと思いますが、60㎡で1平米あたり15万円だと900万円程度の費用がかかるという計算になります。もちろんすべてのケースに当てはまるわけではありません。特にお風呂やキッチンのグレードによって、トータル金額が大きく変わってしまうことはフルリノベーションによくある話です。

他にもシステムキッチンの場合、最も安いグレードなら40万円程度ですが、グレードの高いモノになると150万円以上になります。またユニットバスの場合でも、最も安いグレードならシステムキッチンと同じく40万円程度ですが、グレードの高いモノになると120万円以上になります。

主な住宅設備のリノベーションにかかる費用の目安は下記の通りです。

住宅設備4点(洗面化粧台・トイレ・キッチン・ユニットバス)
[機能・デザインにこだわりがない場合]
170万円程度

[機能・デザインにこだわりがある場合]
280万円程度

このようにフルリノベーションと一言で言っても、どの部屋にどんなグレードモノを選定するかで金額が大きく変わってしまうのがフルリノベーションをする場合の特徴ともいえます。

ですのでフルリノベーションをご検討の前に是非一度、上記の計算式を使用して概算金額を計算してみてはいかがでしょうか。

計算した概算費用とご予算を比較すれば、ご自身にとってフルリノベーションが現実的なのかどうかの大きな判断材料になるのではと思います。


フルリノベーションのメリットとデメリット

フルリノベーションは自由な間取りでお気に入りの設備が使えたり、配管や配線などを一新できるという魅力的なご自宅の改修方法です。そんなフルリノベーションには他にどのようなメリットがあるのでしょうか。こちらではそのメリットとなる項目と合わせてデメリットについても詳しくご説明していきます。

メリット
・間取りが自由
・配管がすべて新しくできる
・壁や床、そして天井の中の見えないところまでをきれいに造り直せる
・物件探しの時、立地の良いエリアの築古も候補物件として検討できる
・好きなように造り替えることができるから


デメリット
・工事費が高い
・工期が長くなる(2か月~3か月)
・物件を購入してからだと半年ほどの期間が必要になる
・入居のタイミングが遅くなってしまう
・工事できない部分がある(工事できるのは専有部分だけであり、共用部には基本的に手を加えることができない(例外もある))

間取りや内装だけでなく、設備配管や設備にいたるまで、すべてを新しく造り替えることができるという点が、フルリノベーションの最大のメリットと言えます。そのため、現況の間取りや導線、設備の状況を気にすることなく物件を探すことが可能となり、築年数20年以上の築古物件も候補として検討することができます。物件探しはどうしても立地や環境に縛られる傾向が高くなってしまいがちですが、フルリノベーションによってこれらの条件の幅が広がることは大きなメリットの一つと言えるのではないかと思います。

一方で、改修工事の費用が高くなってしまうことや、工事期間が長くなるなるため、実際に住めるようになるまでの時期が遅くなってしまうというデメリットがあります。

費用をかけてフルリノベーションをすることで物件の資産価値を維持する効果もありますが、新生活に必要な費用は意外とたくさんあります。引越し費用や新しい家具や家電の購入費等、グレードにもよりますが目安として100万円程度の費用がかかると言われおり、これらの費用も検討してフルリノベーションに関わる全てのイベントにかかる総額を把握しておくことも重要なポイントです。


フルリノベーションの注意点

いくらフルリノベーションをするという決断をしても、自由に造り替えることができないケースが存在します。撤去できない躯体壁があったり、水回りの位置が変更できない物件があったりと、実際には様々な問題が起こり得ます。

具体的な注意点としては、下記のようなものがあります。
・撤去できない壁がある
・水回りの位置を変更できない
・電気容量が限られており、希望する電気設備を導入できない
・移動できないパイプスペースがある
・共用部には基本的に手を加えることができない(玄関ドア、窓、バルコニー、躯体の床、壁、天井等)

どんなマンションでも自由に造り替えられるというわけではありませんので、自分がやりたいことが物理的に実現できるのかどうかの判断は事前にしておくべきです。

また、築年数の古いマンションは建て替えを検討しているケースもあります。そういった情報も事前に把握しておく必要があります。せっかくお金をかけてフルリノベーションをしても、数年後に建て替えが行われるマンションだとしたら、もったいないですよね。

特に築年数が古いマンションを検討する場合は、マンション内の空き家の戸数や、現在の居住者の平均的な年齢層はどうなのか?という情報もチェックできれば尚良いと思います。さらに修繕積立金の積み立て状況なども知ることができれば、これから先も長く住み続けることができるマンションなのかを適正に判断するための材料になります。

これらの情報を知る為には、次のような方法があります。
・フルリノベーションに詳しい不動産仲介業者に相談する
・フルリノベーションに詳しい工事業者に相談して一緒に内覧に同行してもらう
・フルリノベーションに詳しい設計士に相談して、内覧に同行してもらう

さらにご希望のフルリノベーションが物理的に実現可能かどうかの判断をする為に、マンションの建築当初の図面はとても役に立ちます。ほどんどのマンションでは、これらの図面を管理事務所で保管していますので、手に入れられる情報や資料については、可能限り収集しておきましょう。そうすればご希望のプランの実現可能性について、かなり具体的なところまで見通しをつけることができます。


フルリノベーションが向いている方

ここまでフルリノベーションのメリットやデメリット、そして注意点などについてお伝えしてきました。これらの情報をふまえて、こちらではフルリノベーションが向いている方の特徴をまとめておきます。

フルリノベーションが向いている方の特徴
・コストをかけてでも自分好みにアレンジしたい方
・間取りにこだわりがある方
・長い期間住むことを考えている方
・どうしても住みたい地域が限定されている方

逆にフルリノベーションが向いていない方にはこのような特徴があります。

フルリノベーションが向いていない方の特徴
・完成したマンションを購入したい方
・素材や設備など、色々と選ぶことにストレスを感じる方
・数年後に物件の買い替えを考えている方
・住宅の設備や間取りにこだわりがない方
・出来るだけ費用を抑えて物件購入(リフォーム)したい方


フルリノベーションはご希望のマンションを手に入れるための魅力的な方法の一つです。ただ、お住まいに対するご要望は人それぞれ。すべての人にフルリノベーションが良い選択になるとは限りません。

ですので、フルリノベーションをすることがご自身やご家族にとって正しい選択なのかどうかについて、この機会に是非じっくりと考えてみていただきたいと思います。

ご自身で分からないことがあれば、フルリノベーションに詳しい不動産仲介業者や工事業者、そして設計士等に相談してお悩みを解決してみて下さい。もしお友達にフルリノベーションをご経験の方がいらっしゃれば、大変参考になるお話が聞けると思いますので、いろんな方から情報を手に入れることをおすすめします。


最後に

今回はマンションのフルリノベーションについてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。 マンションの購入をご検討している方にとって、フルリノベーションは理想の物件を手に入れるための魅力的な手段の一つだと思います。

その一方で、一般的なリフォームとは違ったデメリットや注意点などがあるため、フルリノベーションが本当にご自身に合っているかどうかをしっかりと見極めていく必要があります。こちらの記事が参考になればうれしく思います。

MASAKISEKKEIは個人事務所ならではの目線からこだわったデザインを提案いたします。カフェレスジャパンデザインアワード2019リノベーション賞受賞。大阪市西区で中古マンションのリノベーションやリフォーム、店舗デザインをお考えの方は気軽にご相談ください。

大阪市西区で中古マンションのリノベーションやリフォーム、店舗デザインを手掛けるMASAKISEKKEIホームページはこちらです。 今回も最後まで読んでいただいてありがとうございました。