バックカウンター収納&間接照明でグレードアップしたキッチンリフォーム
マンションリフォーム 91平米
白色の面材で製作したカップボードやアイキャッチとなるアクセントクロスを施した部分リフォームの実例です。
メインのカップボードには、既存キッチンに合わせたバックカウンター収納とホワイトの吊り戸棚を設置し収納量を確保。バックカウンターには電子レンジや電気ケトル、そしてコーヒーメーカーなどのキッチン家電が設置できるようにコンセントを4口用意し、機能的に作業ができるキッチンに生まれ変わりました。
吊り戸棚は床から1m45cmの高さに設置しており、出し入れがしやすくなるよう使い勝手を考慮しています。カウンター下収納は、深さの違う引き出しで構成し、既存キッチンと重なってしまう入り隅み部分にも引き出し収納を設置。スペースを無駄なく活用できるように計画しました。
また、吊り戸棚のすぐ前にレンジフードがあり、通常の片開トビラで計画すると奥の収納が使えなかったため、モノフラットリンクスヒンジという特殊な金物を使うことで、スライド式に開閉して使える収納になっています。
吊り戸棚の下部には間接照明を新たに追加。大理石調のキッチンパネルに優しい光りが広がって、居心地の良いキッチンとなりました。
今回リフォームのご依頼をいただいたのは、大阪市北区に新しくできたグランドメゾン新梅田タワーTHE CLUB RESIDENCE(ザ・クラブレジデンス)にお住まいのお客様。
クラブレジデンスは、東側には開発中の大阪駅北ヤード、西側には淀川や海が見えるローケーションにあります。35階のスカイラウンジを出ると景色を眺められるテラスがあり、そこからの眺めが最高でした!夕日が沈んでいく様子を見ながらラウンジで過ごしてみたいなーと、思わずうらやましくなるタワーマンションです。
35階にあるスカイラウンジの様子。
さて、今回は新築マンションということもあり、全体に手をくわえるのではなく、次のような部分リフォームを施しております。
キッチンにカップボード収納を設置
既設のキッチンはタカラスタンダード製の対面式。こちらのキッチンはガスコンロ側が壁に面したL型配置になっており、壁から60センチほど離れた場所に設置されています。
既存のL型キッチン。壁側に60cmほどの腰台がある
おそらくカップボードを設置するためのスペースを考慮しての配置だと思うのですが、キッチンとカップボードが角で干渉しないように、作り付けの腰台が造作されており、新しくカップボードを製作するにあたり、このスペースがもったいないというお話をいただきましたので、こちらを撤去し、隅まで収納として活用できるような、カップボードをご提案させていただきました。
より広く、そしてすっきりとみえるように、今回製作した収納家具には白色の面材を使用しています。壁面にはホワイトグレーの大理石調キッチンパネルを合わせました。
キッチンパネルのカットサンプル。アイカのFJ802ZN。
キッチンパネルには大理石調のFJ802ZNを使用
バックキッチンのカウンター天板には、既存キッチンに合わせてアイカ工業フィオレストーンシリーズのシュガーロックを使用しています。
カウンター天板はフィオレストーンのシュガーロック。水晶が主成分に含まれている高級人造大理石
フィオレストーンは天然水晶を主成分とした人造大理石で、アイカ工業の中ではグレードの高いシリーズとなっています。
カウンター下の収納は引き出し式。引き出しは深さを2段階に分け、深さのある方は2リットルのペットボトルが収納できる32cmの高さを確保し、残りの寸法を浅い収納に振り分けています。引き出しはすべてソフトクローズ機能付きのため、強い力で引き出しを押しても、ゆっくりと静かに閉まります。
中央の上段は炊飯器を設置するスペースで、棚板を前にスライドさせればそのまま炊飯が可能です。(こちらもソフトクローズ機能付き)
左側はキャスター付きのゴミ箱ワゴンが収納できるスペースを確保しました。ワゴンをおさめるとこのようになります↓
ゴミ箱ワゴンの面材もカウンター収納に合わせて製作。ワゴンを納めると見た目がスッキリしている
ゴミ箱ワゴンは一方向だけに動かすことができる固定キャスターを取り付けています。自在キャスターと違いキャスターがいろんな方向を向かないため、前後の動きがとてもスムーズに行えます。
ゴミ箱ワゴンの後ろ側。前板の裏側にゴミ箱を収納できる
そしてゴミ箱ワゴンの左奥が既存キッチンと重なってしまう腰台のあったスペースです。こちらはゴミ箱ワゴン側に引き出して使う収納を2段設置し、奥のスペースまで有効に使えるようにしました。
吊り戸棚については、既設のレンジフードが干渉する部分があったため、戸棚のトビラの開きかたを工夫したのが今回の計画のポイントです。どんな工夫をしたのかというと、通常の片開きではなく、横にスライドしながら扉が開くモノフラットリンクスヒンジという特殊な金物を使用しています。
これなら前に障害物があっても扉を全開することができます。また、一般的なスライド丁番から簡単に取り替えることができるようにフランジに互換性がありますので、一つあたりの金額は少し高くなりますが、使い勝手の良い便利な金物です。
この特殊な金物のおかげでレンジフードに干渉することなくトビラを開けることができ、吊り戸棚としてすべてのスペースを無駄にすることなく活用できました。
上部の収納も引出と同じくソフトクローズ機能付きになっているので、トビラは閉まる直前にスローな動きになり、ゆっくりと閉まります。
吊り戸棚はリビング&ダイニング側からみると、対面キッチンを通して正面に見えますので、棚の裏側に演出用の間接照明を設置しています。
こちらの器具はFKKというメーカーの超薄型のLEDバーライトを使用しており、掘り込み寸法が20mm程度で収まりますので、収納スペースを圧迫することなく器具を隠しておさめることができています。
棚裏に取り付けたFKKの間接照明。幅15mm高さ約13mmと小さいので収納スペースを圧迫せずに設置できる
棚下に仕込んだダウンライトは棚用の薄型タイプ。コイズミ照明のXD49501Lという器具を使用しています。照射角度が60°あり、影になりやすい吊り戸棚下の明るさをしっかりと確保できています。
棚下に設置した薄型の段ライトはコイズミのXD49501L。壁とカウンター天板の明るさを確保している
テレビを壁掛け仕様にアレンジ
リビングのテレビを壁掛け設置にアレンジしたいとのご要望がありましたので、TVを設置する壁面がお部屋のアクセントになるよう、演出用のダウンライトとアクセントクロスのご提案をさせていただきました。
リビングのテレビを壁掛け設置にアレンジ。壁はアクセントクロスに貼り替えて、演出用のダウンライトを追加している
テレビは75型の4K液晶テレビです。壁掛け金具は純正ではなく、ネットショップで購入できるをアームタイプを購入して使用しています。
壁掛けテレビは一度取り付けると頻繁に脱着することはないのですが、固定式の金具よりも角度が変えられるアームタイプの金具をおすすめするようにしています。なぜかというと、AV機器の接続線やネットのLANケーブルの入れ替え、それに掃除をするときなど、ちょっと角度を動かせるだけでとても便利だからです。
テレビの壁掛け金具はアーム式を使用。配線の取り付けや掃除するとき等にとても便利
テレビを設置した壁のクロスはサンゲツのFE-74051です。トラバーチンの石目には上品な雰囲気と高級感があり、お客様に雰囲気にとてもお似合いでした。
廊下、寝室にアクセントクロスを追加
廊下と寝室でも、視線の集まりやすい壁をアクセントクロスに貼り替えました。
廊下はアイキャッチとなる壁面にサンゲツのFE-74464を、寝室にはベッドヘッド側の壁面をBW-4794のクロスに貼り替えて、それぞれの空間にアクセントをつけています。
廊下のアクセント壁には、さらにユニバーサルダウンライトを設置し、ライトアップ用の当て込みを追加しています。
空間全体が明るくならないようにグレアレスタイプの器具(コイズミ照明のAD92100LとAE50511E)を使っています。明暗がはっきりとして、メリハリをつけることができています。
廊下のアクセント壁にはサンゲツのfe74464。ダウンライトの光で陰影が強調されている
玄関に壁面ミラーを設置
玄関部分には天井高さに合わせた壁面ミラーを設置しました。