【店舗設計実例】割烹バー「新潟婆」|古材と無垢材でつくるレトロな空間
古材と無垢材を活かしたレトロな店舗デザイン事例
大阪・玉造にオープンした「新潟婆-niigata_bar-」は、新潟の地酒を楽しめる隠れ家的なお店です。
今回は、元ブティックをフルリノベーションし、4.5坪という限られたスペースに温かみと機能性を両立させた内装デザインをご紹介します。
スケルトン状態から、古材と無垢材でつくる落ち着いた空間へ
元々ブティックだった空きテナントを、ほぼスケルトンの状態から改修。
既存のトイレは便器とドアを再利用しつつ、配置を変更することで効率的な動線を確保しました。
地元・新潟の古材を取り寄せて設計
店主の出身地・新潟県の材木屋から取り寄せた古建具や化粧材を、入口の引き違い格子戸や店内装飾に使用。
新装店舗でありながらも、どこか懐かしさを感じられるレトロな雰囲気に仕上げています。
耳付き無垢材のカウンター
メインのL字型カウンターには、自然な曲がりを活かした耳付き無垢材を使用。
一つひとつ異なる木目や形状が、訪れる人に温もりと個性を感じさせます。
「古材の魅力に触れて、店に愛着を持ってほしい」という店主の想いが込められています。
機能性と快適性を両立した厨房と客席のレイアウト
【4.5坪の中で最大限の効率を追求】
厨房はわずか1坪。 コンパクトながらも無駄のない配置と通路幅の確保により、スムーズな調理動線を実現しています。
【カウンター設計の工夫】
・カウンター天板高さ:975mm
・付け台の立ち上がり:200mm この寸法により、お客様の視線から店主の手元が見えず、落ち着いて食事を楽しめる空間になっています。
【背もたれ付きの椅子でゆったりと】
客席には背もたれ付きの椅子を配置。
隣席との干渉を避け、椅子を引かずにトイレへ移動できるよう細かく寸法を調整しました。
コストとデザインのバランスを追求した素材選び
【クロスとフロアタイルでコストダウン】
仕上げにはビニールクロスやフロアタイルを使用して、施工コストを抑制。
その一方で、要所に古材・無垢材・アンティーク建具や照明器具を組み合わせ、空間全体に風格を与えています。
コックピットのような厨房づくり
【自作吊戸棚と一槽シンク】
・吊戸棚:杉無垢材(本体)、ラワンベニヤ(扉)
・一槽シンク:キッチンパネルで自作し、脚のないブラケット仕様
一槽シンクの下部にはビールサーバー用のガスタンクを収納可能で、スペース効率も考慮されています。
【フードは家庭用を活用】
レンジフードは家庭用のBrezza製W750mm角形を選定。(現時点で幅が750ある角型はBrezzaだけ)
管轄の消防署と事前に協議を行い、壁からの直接排気であれば問題ないとのことで、コスト削減にも成功しています。
【表札も一工夫】
表札は、以前から使用されていた銘板をベースに、ビスよりも安定するフックで脱着できる仕様にアレンジ。
店主の想いを引き継ぎながら、店舗の顔として生まれ変わりました。
店舗情報
店名|新潟婆-niigata_bar-
住所|大阪市天王寺区玉造元町2-16 玉造駅前センタービル105-A号
業態|割烹バー