住宅リフォーム

3LDKマンションリフォーム実例 間仕切り引戸で2LDKとしても使える間取り

マンションリフォーム 築34年 90平米

90平米3LDKのマンションのリフォーム実例です。
今回のマンションは、大阪市西区のマンションシテヌーブ阿波座で築34年目の物件になります。

90平米とゆったりとした広さで元の3LDKの間取りを活かしつつ、リビング横の和室をLDKに取り込んで2LDKとしても使えるようになっています。築年数の古いマンションによくみられる床の段差がリビングや洋室にありましたが、床全体の高さを揃えて、段差の少ないバリアフリーな間取りに生まれ変わりました。

また、古くなっていた水回り設備は新しいモノに取り替え、収納の配置の変更&新設、開き勝手の悪い開き戸を引戸に変更したりと、機能的な面でも良くなるような調整を各所に施しています。


リフォームで実現したポイント

今回リフォームした主なポイントは下記の通りです。

・独立キッチン⇒対面キッチン
・浴室のサイズアップ&梁欠き無しに
・和室⇒洋室(間仕切り引戸)
・収納スペースの配置変更&新設
・床の段差⇒段差無しのバリアフリー

順番にご説明していきます。


独立キッチン⇒対面キッチン

元々は独立したキッチンで、ダイニング側の腰上に開口が空いている間取りでした。 キッチンは通路幅が広く、ゆったりとしたスペースが確保できていましたが、ダイニングとの一体感や開放感は感じられません。

今回のリフォームではダイニング側の間仕切り壁をすべて撤去し、I型のキッチンをダイニング側に向けて対面キッチンとして使用しました。

キッチンとダイニングの間には腰壁をつくり、トップにL型のカウンター天板を設けています。 短編方向のカウンター天板も奥行を250mmとしたことで、デザイン的な見た目がよく、さらにモノを置くなどがしやすくなっています。

腰壁の立ち上がりは1000mmあり、水回りを程よく隠すにはちょうど良い高さになっています。また、高さが1000mmあれば、キッチン上の壁に一般的な2口コンセントを設置することができます。


浴室のサイズアップ&梁欠き無しに

元の浴室サイズは1418サイズのユニットバスでした。1418サイズは決して狭くはないのですが、今回のリフォームを機に1618へのサイズアップしております。


浴室のリフォームを機に若干の配置変更を施し、サイズアップをしながらも元の浴室にあった梁欠き加工が不要となりました。また、洗面室との間にあった200mmほどの段差が70mmに抑えることができました。

さらに機能的に改善した項目としては、高温差し湯から追い炊き機能付きへと変更しています。 こちらは管理組合によっては不可となるケースもあるのですが、当マンションでは承認を得ることができましたので、既存の配管ルートを活用して追い焚き機能を追加しました。給湯器も追い焚き機能付きのタイプに入れ替えてります。

照明はダウンライトになり、ゆったりくつろげる雰囲気もプラスされた浴室リフォームとなりました。


和室⇒洋室(間仕切り引戸)

リビング横に設けられていた和室は築年数の古いマンションによくみられる間取りです。 こちらはリビングとの間に段差もあり、閉鎖的な部屋になっていたため撤去し、リビングと一体としたフローリング張りの洋室へとリフォームしました。

こちらの洋室とリビングの床は廊下から一段下がっていたのですが、今回のリフォームで段差のないバリアフリーの空間となりました。 小さなお子様がいるご家庭なら子供部屋としても安心して利用できます。

洋室とリビングを仕切っている間仕切り引戸は上吊り戸タイプを使用しています。

元の和室とリビングの天井高さが違っており、造作工事の手間を減らすため引戸上の垂れ壁はそのまま残していますが、引戸を開ければとても開放的です。 また、フローリングの床には見切りがなくひとつながりになっているため、見た目がスッキリしています。


収納スペースの配置変更&新設

今回のリフォームで元々あった収納を改善しています。 具体的には、押入は撤去し、季節物の収納できる奥行の深い収納と、洋室側のウォークインクローゼットとして区分して活用しました。

また、廊下沿いの収納は、半分を洗面脱衣室の収納に作り替えてスペースを活用しています。他にもリビングとダイニングにはそれぞれ新しく収納スペースを新設し、各エリアで適所収納ができるような計画としています。

洋室にはそれぞれウォークインクローゼットを新設しました。ウォークインクローゼットにはトビラを設けず開口部は出入りのしやすいオープン枠です。開けっ放しにしても邪魔にならない引戸を設置するという考え方もおすすめです。

トビラ付き収納の内部は可動できるタイプの棚を設けています。収納する物に合わせて高さが調整できますし、後から棚板を追加することもできて便利です。

洗面脱衣室と洗濯機の上にはオープンタイプの可動棚収納を2ヶ所設置しました。利用頻度が高いモノを収納する場合はトビラがない方が使い勝手が良いことが多いです。

玄関収納は元々あったカウンタータイプの収納を撤去し、天井までの高さのあるコの字型の収納を新設しています。 内部には傘収納スペースもあり、玄関まわりの収納をまとめてしまっておけるためトールタイプの収納が便利です。

また、トール型収納は、床から浮かしたフロートタイプにすることもでき、靴が一足置ける程度の浮かしておけば、さっと使えるスリッパを一足だけおいておくこともできます。 フロートタイプには底板があるタイプと無しのタイプが選べます。

土間に直接背の高いモノを置きたい場合は底板無しが便利ですが、底板を設ければ、掃除がしやすく見た目もスッキリした状態を保ちやすくなり、それぞれライフスタイルに合わせて選定することができます。


床の段差⇒段差無しのバリアフリー

元の間取りでは、廊下以外の居室やLDKの床と廊下の間に90mm程度の段差がありました。廊下の下に給水管とガス管が通っており下げることができなかったため、廊下以外の床を上げ床とすることでバリアフリーリフォームを実現しました。

リフォーム後は玄関からの上がり框部分に20mm程度の段差、そしてお風呂と洗面室の間に70mmほどの段差が残りましたが、他は段差のないバリアフリーな状態でつなげることができました。

バリアフリーは高齢者や小さなお子様に安全なだけでなく、お掃除やメンテナンスがしやすくなるといったメリットがあります。築年数の古いマンションの場合、躯体の天井梁が大きく出っ張っていることもありますので、床を上げた時の梁下の天井高さを確認しながら床上げリフォームを検討することで、快適な空間に作りかえることが可能です。


最後に

今回は一部の壁下地を残した程度でほとんどを取り壊し、一から造作したフルリノベーションに近いリフォームとなりました。工期は2か月間半程度で完了しています。

フローリングやドアにアッシュ系の木調デザインを用いた内装で、アクセントクロスとして取り入れた濃淡の2色のグレーとも相性が良く、居心地の良い雰囲気に仕上がっています。

こちらの実例が90㎡程度のマンションリフォームをご検討中の方の参考になれば幸いです。