リノベーションされた団地に住んでみて初めてわかること

住人の高齢化が進むニュータウンでは、リノベーションされたオシャレな団地が話題になっています。

こんにちは。
大阪市西区で住宅リフォームや店舗デザインを手掛けるMASAKISEKKEIです。

今回は、リノベーションされた団地についてお伝えします。


各自自体で若者を呼び戻そうとする取り組みが盛んになっており、デザインリノベーションを施した募集人数を大きく上回る入居希望者が殺到しているそうです。
最近だと、無印良品が手掛けた物件や、ブルースタジオが手掛けた物件が良く知られていますよね。

最新のものだと、昨年、大阪府の住宅供給公社が手掛けたニコイチの団地再生プロジェクトがグッドデザイン賞を受賞し、話題になっています。
団地のデメリットの一つだった”狭さ”を解決する方法として、2つの住戸を1つ(ニコイチ)にすることで、ファミリータイプでもゆったり住める住居へと生まれ変わっています。

このような団地再生には、実は建築家が積極的にかかわっていて、子育て世代が住みたいと思うような画期的なアイデアが盛り込まれています。

そういえば、土間のインナーバルコニーがあったり、間仕切り壁が斜めに立っているような斬新な団地住居を、私も雑誌で見たことがあります。
これってまさに、インスタ映えするオシャレな家、ですよね。

ただ、住宅のリフォームを設計することの多い私としては、色々と違和感を感じることがあります。その違和感というのは、デザインが優先されすぎて、快適さがおろそかになっているんじゃないか?というところです。

私は昔団地に住んでいました。団地住まいで感じるストレスを具体的に経験してきたのですが、そのストレスというのは、防音性能と機密性能に関わる問題だと思います。

団地の場合、隣室との界壁や各階の床スラブが薄いため、隣の住人に生活音さえも気になることがあるんです。
実際、私の住んでいた団地では、隣のテレビの音や会話まで聞こえてましたから。。。

もし、デザインが気に入ったからといって、インスタとかインテリア雑誌でよく見るような、コンクリートむき出しの壁や天井だと、かなり高い確率で生活騒音の問題が起きるんじゃないかと思うんです。

家選びをする上でデザインは大切な要素ですが、日常の生活でストレスを抱える可能性があるのは、あまりよくない事ですよね??

そもそも、ファミリー向けの間取りにしているからには、小さいお子さんのいる家族がたくさん引っ越してくるわけですし、家庭から出る騒音問題って、通常よりも深刻になりやすいです。

だから、今注目されている団地リノベーションの方向性は、小さいお子さんのいるファミリーが住む家としては、根本的な問題があるように思っています。

そして開口部についても同じことが言えます。

団地についているような昔のサッシは機密性が悪いです。ガラスも単板ですし、冬は寒くなります。

最近は加湿器や高機能エアコンが普及してきていますし、湿度が昔よりも高い状態で、開口部の性能が以前のままだと、結露はさらにひどくなるわけですね。そして過剰な結露は、カビの原因となります。

このようにして、性能の古い住宅建材等がついている団地では、体によくない問題も起こり得ることが想定されるわけです。

最近はリノベブームでもありますし、オシャレやデザイン性ばかりに目がいって、リスクについてはあまり知られていないという実態があります。

住み心地や快適性は、大切な家族の健康に関わる重要な問題です。
だからこそデザインと同じくらい、防音性や気密性についてこだわること、これが理想的な家の選び方だと思います。

すべての人が当たり前のようにこういう観点で住まいを選ぶ時代が来るのは、まだしばらく先になるかもしれませんね。
家の選定に必要な正しい判断基準が、もっと早く世の中に広まればいいなと思います。

 


今回は、リノベーションされた団地についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。

MASAKISEKKEIは住まいのリフォームに商業デザインの手法を取り入れて、照明と収納にこだわった提案をしているところが特徴です。
カフェレスジャパンデザインアワード2019リノベーション賞受賞。大阪市でリフォームをお考えの方は気軽にご相談ください。
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今回も最後まで読んでいただいてありがとうございました。